ハロウィンと夜の物語~次、行ってみようっ!~

 風邪引いちゃってしばらくお休みしてました。今日はハロウィンだから、何が何でも記事書かねばと思っておりましたよ……。歌詞の順番としては、いよいよゴールドラッシュです。

 ゴールドラッシュはカリフォルニアで起き、1848年から55年までとされます。1849年はとにかく「ヨーロッパから人がいなくなったよ!」と言われるくらい、海を渡って金を求めてきた人がたくさんいたそうで、30万人来たと言われる人数がおよそ半分ずつ、海と陸からカリフォルニアを目指しました。これがイワユルフォーティーナイナーズ。49年にどんどこ集まってきた、初期の採掘者のことをこう呼ぶそうです。全員集合!

 しかし、全員が金持ちになれたかとそうはいかず、なにしろ採掘は一朝一夕でうまくできるもんじゃありません。最初の頃は鍋みたいな道具を使ってちょもちょもと金を探していたようですが、のちに洗練された技術や大規模な組織が現れてきて、そうなると個人でやってる人はひとたまりもありません。大部分は大して儲からなかったそうです。

 ともあれ、こうやって人が来たおかげでサンフランシスコが大きな街へと発展していったのでした。カリフォルニアが州になったのはこのおかげだそうな。もう一つ付け加えると、ここら辺の地域は米墨戦争が終わったときの条約でアメリカに譲渡されたのでした。だから、歌の主人公が49年にカリフォルニアにいて、金を探していてもなんもおかしいことはありませんね。しかしいいことばかりではなく、環境が汚染されたりという問題の他、インディアンへの攻撃もあったのでした。特に、ヤナ族という民族はこのときの虐殺で根絶やしにされたそうです。おのれアメリカ。

 フォーティーナイナーズは、男は金を探しに行きますが、その間奥さん達もしっかり稼いでいたそうです。二人三脚。ありとあらゆる国や民族を越えて、いろいろな人がカリフォルニアに集まってるわけですが、ヨーロッパからだとフランス人が多かったらしい。あとドイツ人、イタリア人……。そしてアジアからは中国人。これだけ多国籍だと、文化も入り交じります。常識も変わります。女性の移住者も多かったらしいですが、この人達ももちろん例外ではありません。これまでの女性のあり方や働き方の概念を覆さないと生きていけないような、そんな生活がここでは始められていたのです。何しろ、旦那さんに呼ばれて移住したのに、ついてみたら旦那さんが死んでたとかいうこともめずらしくなかったらしい。過酷です。

 そして、できたばかりの大きな街では法律も整備されていなかった。ので、取った金がめんどくさい手続きとかなしに自分のものにできるのはいいけど、その代わり無法地帯なのでとっても危険でした。そうなると、自然に同じ民族の間での結束というのは固くなるものですが、それは同時に、異民族間の緊張の高まりも意味します。もめ事の主な原因は、土地の所有権。つまり、鉱山の権利ですね。フォーティーナイナーズのすごいのは、政府がなんもしなかった時に自分らで決まり事を作って執行していたことです。雑でしたけど。調停も乱暴でしたけど。このとき使われていた規則は、のちにアメリカ全土に広がっていきました。

 儲かったのはどちらかというと、採掘者より街で商売が当たった人だったみたいですね。宿泊施設とかお店とか。取れた金はすぐ街で流通し、それが回り回ってアメリカの他の地域にも利益と一緒に廻り、政府発行の紙幣がまたカリフォルニアへ戻ってくる。理想的な好景気ですね。日本もこうならんかな。

 しかし悪い影響も深刻で、前にあげたインディアンや少数民族への暴力・虐殺の他、移住していった人達も途中で病気などで死んだ人が多かったのです。あと白人至上主義ってのがあるので、中国からの移民やラテン系アメリカ人も差別の対象になりました。そしてこういう状況だったので自警という方法がとられた結果、さらに怪我人死人が増えてしまうという悪循環。無法地帯ですね。あとインフレとか……。

 ジーンズが、ゴールドラッシュで誕生したことは有名ですね。破れにくいから採掘者達に愛用されたという。日本からはジョン万次郎氏が参加しています。漂流した結果だけど……。

 詳しくはここと、ここをご参照ください。とりあえず、歌の主人公さんがカリフォルニアにいたらしいことは裏付けできたかな。あと、彼の「愛しい人」は、『ディアナ』ですかね。『ディアヌ』じゃなく……。ディアナはイタリア語(ラテン読み)、ディアヌはフランス読みなんですが……。恐らく彼女も移民ではないかと想定しています。

正義 −Justice− ワイアット・アープ物語

正義 −Justice− ワイアット・アープ物語

正義 −Justice− ワイアット・アープ物語

[著]那葉優花 [原作]フロッシュ

ゴールドラッシュの時代を生きた男の物語。

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ハロウィンと夜の物語~米墨戦争~

 今回は米墨戦争の前後のことを。

 「明白なる天命」の記事で最後に触れたように、1846年から米墨戦争が始まります。テキサスを寄越せという戦いです。「星の綺麗な夜」の歌詞にある「ブエナビスタ」は、恐らくブエナビスタの戦いで、この戦争における最大の戦いといわれています。詳しい経過とかは読んでもよくわからなかったのでここをご覧ください。要するに「なまらすげー戦いがありました」ということで話を進めます。

 このときアメリカの軍を率いていたのがザカリー・テイラー将軍、CDの中で「テイラー将軍に続けー」と言ってますね。米墨戦争の英雄と呼ばれ、後に大統領になった人です。ゴールドラッシュでカリフォルニアの人口が増えたので、奴隷制度のない州にしようとしたら奴隷州から反発をくらって、「南部がなんかやらかしたら戦争すっからな!」とこの人がいったのがのちの南北戦争への伏線となったそうな。詳しくはここ参照。

 話を戻しまして、ブエナビスタの戦いです。歌詞で言われている「見晴らしのよい丘」は、同じく歌詞に出てくる「聖パトリック大隊」に深く関係しています。聖パトリック大隊はアメリカ軍の所属でしたが、構成員はスイス、ドイツ、アイルランド、その他ヨーロッパのカトリック教徒でした。外国人部隊なんですね。特にアイルランド人は全体の40%にも上っていたらしい。アイルランド人は、アメリカに移民してきた直後に徴兵されるということもあったらしいです。

 アメリカはその頃プロテスタントが多かったんですが、この聖パトリック大隊の人達がカトリック的な宗教行事(ミサとか)の慣習を自由にさせなかったというようなこともあったようです。それで不満が高まっていたところに、メキシコもやはり同じ信仰を持つ国であるということ、特にアイルランドの人達から見ると、自分達の国とメキシコのあり方に共感を覚える点も多かったらしいことから、聖パトリック大隊はアメリカ軍から離れメキシコに味方することになります。

 ブエナビスタの戦いの際、聖パトリック大隊は「見晴らしのよい丘」に配置されます。そしてなまらがんばって戦った結果、メキシコから讃えられるほどの勇猛さを示したそうな。しかし、この戦いの激しさのために兵士の数は激減します。そして最後にはメキシコから解雇されるという……。詳しくはここ

 で、歌詞では「聖パトリック大隊の同胞」を撃ち殺した、とありますから、この歌の主人公氏は大隊からは外れていたということになりますね。軍属なら最初はそこに配属されたと思うんだけど……。「聖書より実利ある日々の糧」を取った理由は、あとで明らかにされていますね。

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ハロウィンと夜の物語~明白なる天命~

 サンフランシスコってどこだっけ!? となったエルスです。ごきげんよう。今回は、「明白なる天命」について。

 西部開拓の際インディアンを排斥し黒人奴隷を使役するようになった歴史がありますが、これを正当化するためのキャッチフレーズが「明白なる天命」でした。ちょっと前は「ネイティブアメリカン」って呼ぶようになってましたが、当の彼らが「今更何綺麗事抜かしてるんだ」とその呼び名を嫌がって、むしろインディアンの方がましだといっているらしいです。まあ確かにその通りですね。

 白人種が、インディアンや黒人を「文明化」するという大義名分の下に西部を開拓し、合衆国の領土を広げていくのが目的だったのですが、初めて使われたのが1845年です。このときは、テキサス合衆国を併合しようというのがあって、そのあとに西部開拓のキャッチフレーズになったようです。ちなみにテキサス合衆国というのはもともとメキシコで、現在のアメリカのテキサス州の辺りが独立して「テキサス合衆国」といっていたものです。

 最初期の頃はアメリカとかフランスも国として認めていた者の、メキシコとしては何としてもここを領土として取り戻したかった。しかし戦争するだけのお金もなく政治情勢も不安定でにっちもさっちもいかなかったところに、えげれすとフランスが「アメリカと合併しないって言う条件だして独立認めちゃいなYO!」と持ちかけてきたのです。えげれすは、これ以上アメリカの勢力が拡大しないようにしたかった上、テキサスで取れる綿花もほしいし、自分の国の商品を売りつける相手としてもテキサスがこのままである方が望ましかったようです。

 しかしテキサスの方はアメリカと合体したかったので、結局1845年にアメリカの州となってしまったのでした。そして翌年の1846年から、米墨戦争が始まります。

 星の綺麗な夜で、ちょっとぼかしてありますがこの辺の経緯が語られています。「辺境を馬と銃で西方へと追いやった」というのは、西部の開拓のこと。ここら辺は視点が曖昧になっていますが、恐らくこの曲の主人公の辿った人生を語っているんですね。
 
電子貸本Renta!:彼じゃないけど

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ハロウィンと夜の物語~アイルランドからの移民事情~

 サンホラーになると歴史とか調べるのがうまくなるね! 歌の解釈に行く前にいろいろ調べないとちゃんとりかいできないよ! というわけで、今回はアイルランドの移民事情です。

 前の飢饉の話で触れたように、1845年からの移民は爆発的に多くなっていましたが、一曲目「星の綺麗な夜」でちょっと触れているように、イギリスの政府がアイルランドを支配するようになってからイギリスからの入植者や地主が増え、もともとアイルランドに住んでいた人達は小作農として生活しなければならない状況になっていました。1830年代がひどかったようですね。それで貧しい人が季節労働でジャガイモを作るようになっていたのに疫病がはやりいもが駄目になったので大飢饉発生。このままじゃ生きていけないというので、アメリカなどに移っていったわけです。この飢饉のときは家族ぐるみでの移住者もたくさん居たそうです。だからケイトとショーン夫妻も夫婦(家族)で移住したんですね。

 星の~の歌詞で出てくる「棺桶船」は、実際アイルランドからの移住者達が乗っていた船の呼ばれ方です。多くの移住者達が利用したのは普通の客船ではなく、木材などを積んできてアメリカへ帰っていく船だったそうです。当然環境は悪いですね。たくさんの人が身動きもままならないような状態で詰め込まれて長い航海をし、熱病などもはやったそうです。歌にもありますね。乗り込んだ人の20%が航海の間か上陸後になくなったとか。つまり5人に1人か……。

 そして、この航海で大半の人が有り金をはたいてしまうので、到着したらまずそこのまちで働かなければならなかったそうです。しかしほとんどの人が言葉も不自由だし、つけた仕事はだいたい低賃金だったり劣悪な労働条件だったりする仕事ばかりでした。当時はまだ黒人が奴隷として扱われていた時代ですが、それよりも安く使える労働力と見なされていたとか。ひどい話です。アイルランド人がカトリックだったことと、イギリス政府に支配されているという政治的な事情がその背景にあったようです。人間性まで否定されるようなひどい差別や排斥運動なども起こり、アイルランドからの移住者達は自然自分達の身を守るような団結をしていきます。自警団や消防団もでき、今もその流れで先祖代々消防士という人もいるそうな。

 さて、そんな彼らへの差別が和らぐ機会がその後来ましたが、それが南北戦争です。このときアメリカ政府への忠誠を誓い、勲章をもらった軍人もいたことで、印象がよくなったんだそうです。南北戦争は1861年から1865年ですから、もうちょっと後の時代ですね。

 歌詞的にはまだ一曲目の三分の一くらいかな……。このページを参考にさせていただきました。

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ハロウィンと夜の物語~アイルランドの飢饉~

 昨日の続き。最近の人類史で、ケルト人は島にはいなかったという説が出てるとか聞きましたが、そこを追求するといつまでも本編の考察へたどり着けないので割愛します。あと、さらに辿ると、ハロウィンの元になった習慣はスカンジナビアから来てるそうな。

 今回は、アイルランドの飢饉について。現代になっても揉めていますが、アイルランドはグレートブリテン及びアイルランド連合王国という形で1801年からロンドンの政府によって統治されていましたが、製造業は発達せずもっぱら農業だけが主要産業みたいな状態だったそうです。しかも、日本とかと違い兄弟全員が畑を相続できるというのでやっていたので、だんだん自分の畑の面積が細かく分けられていくことになっていきます。最初は麦を作っていたのが、自分の畑でジャガイモを作るようになっていき、だんだん主要な食糧がジャガイモのみといっていいような状態になっていきました。ジャガイモはわりと丈夫なので、貧乏な農民でも育てればそこそこ収穫できるし、冬でも大丈夫といいことずくめのように見えたからです。大きい畑だと地主さんに金を払わなきゃならなかったから、貧乏な農民はそれを避けるため自分のところでジャガイモを、という方法をとらざるを得なかったらしい。

 しかし、1845年から1849年の五年間、ジャガイモに疫病が発生して不作が続いてしまいます。昔は植物の病気というのに対して知識も対処法もなかったのでどうしようもなく、さらに政府の無策というか上の人の利己主義がひどい状況に拍車をかけました。普通国内で飢饉が起きたら、他の国なんぞに輸出しないようにするもんだというのが庶民の感覚ですが、当時アイルランドの貴族はほとんどブリテン島に住んでいて、もし輸出禁止にして自分らの地代がへったらどないしょうと考える人が多かったので、輸出禁止をさせないようにしたんだそうです。このジャガイモの疫病はヨーロッパの他の地方でも広がっていたようですが、他の国ではちゃんと国民の救済措置を執っていたのに対し、アイルランドはこの有様。うん、どっかの日本を見ているようですね。国民の生活が第一(※ただし金持ちに限る)ってことですね。そういうわけで、餓死者が出てるのにアイルランドから食料が輸出されるという状況が続いたのでした。

 いちおうの対策はとったとは言え、調達した食料を安価でかいとるとかそういう焼け石に水的なものだったり、政府が直接援助する対象を「土地を持たないもの」とかに限定したため、ただでさえ小さい畑しか持っていない農民が、その土地を安い値段でうっぱらったりしてもう目も当てられない有様だったそうな。畑がなければ作物は取れない、作物が取れないと食糧不足という悪循環。飢饉が長引いたのはこういう無策のためもあったといわれています。うむ、初めて見るはずなのに、この奇妙な親近感はどこから湧いてくるのだろう。答え:今の日本の政治

 その結果、多くの人がアメリカとかイギリスとかオーストラリアとかに移民していくこととなったのですが、このときに根付いたイングランドへの不信感がのちに独立運動を引き起こします。そして、アイルランドの言語を話す人が激減し、英語が優位になってしまったり、アメリカにおいてはアイルランド系移民がかなり多くなったため、後に相当大きなコミュニティを形成するに至ったりと、いろいろなことが起きたらしいです。ケネディさんの先祖もこのときアメリカへ移り住んだんだそうな。

 ちなみにこの飢饉について、後にイギリスは謝罪しましたが、それも1997年のことです。つい最近ですね。

 アイルランドはカトリック系、アメリカはプロテスタントが多いので、アイルランド人を排斥せよという声もあったそうです。

※ウィキペディアなどを参考にしました。

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ハロウィンと夜の物語について~ハロウィン~

Sound Horizonのニューマキシが出てしばらく経ち、恒例の「作品解釈」がたけなわですので、わたしもちょっと覚え書きを作ってみようと思います。歴史的な背景とか歌詞の意味などについてはもうすでにいろいろなところで詳しく解釈されているので、私は素直に物語として聞いてみた感想みたいなものを書いていこうかと。

 全部要約すると、アメリカでゴールドラッシュだの何だのがあった周辺の時代が舞台で、メインとなるのはアイルランドから移民してきたリヴァモアという一家の人々。兄ちゃんは早くからアメリカに渡って仕事とかをし、妹に仕送りをしてたんだけどある夜刺されて死んじゃって、故郷で結婚した妹は兄を追いかけて夫と供に身重の身体で長い船旅をし、生まれてきた病弱な子供を育てながら暮らしている、というお話し。子供はレニー(レナード)という名前で、山間の街に移り住んだあと友達ができ、ハロウィンをすることになったんだけど、どうやらその夜死んでしまったらしい。

 今回はハロウィンがテーマなので、ちと調べてみましたが、ハロウィンはまさに、アイルランド系移民と供にアメリカへ渡ってきた文化だそうです。元々はアイルランドの行事で、収穫が終わったあと、あの世との門が開く日にこっちへやってくる悪霊とか死んだ人達をおっぱらうための日なんだそうで。死んだ人が戻ってくるのは日本のお盆みたいですが、あっちの考え方では死者はたとえ身内といえどあまりいいものではないみたいですね。

 ケルト人のお祭りだったのが、カトリックに改宗していく過程で教会が吸収していったようですね。もともと「諸聖人の日」というがあったのを、ハロウィン(10/31)の次の日である11/1に持ってきて、前夜祭みたいな感じに設定したのだそうです。ちなみに「諸聖人の日」が「万聖節」、歌詞でも「ハロウィン」とルビ振られてますね(万聖節の前夜=ハロウィン)。万聖節は何をする日かというと、殉教したすべての人および聖人をいっぺんにお祝いする日です。翌日の11/2は「死者の日」で、すべてのキリスト教の死者のため祈りを捧げる日。日本語では万霊節。ちなみに、この辺の行事はキリスト教でも宗派とかによってやったりやらなかったりします。ハロウィンも宗教行事ではありません。ロシア正教では禁止してるそうな。

 なんでお菓子をもらいに行くのかというと、これはキリスト教のほうの影響らしいですね。「souling」という習慣がヨーロッパにはあって、万霊節にキリスト教徒は「魂のケーキ」という四角いぶどうの入ったケーキを持って歩き、なくなったらその辺の家で物乞いをしてたんですが、その際「この家でなくなった方のためにお祈りをします」と約束していたんだそうです。で、これが、死者の霊のために食べ物とかワインを残しておくという古代の風習に変わるものとして、キリスト教で奨励されたそうな。

 まあ起源は古いお祭りですね。でもアメリカに入ったのは19世紀、アイルランド移民が大量に入っていったことからです。当時はアイルランド人コミュニティの中だけでやっていたのが、だんだん広まっていって、東海岸から西海岸へと伝わっていきましたが、それでも完全に知れ渡るには20世紀初頭まで待たなければなりませんでした。

 で、話をCDに戻すと、ゴールドラッシュとかが出てきているように、時代は19世紀です。一曲目で死んだ男はどうやらアイルランドの「ジャガイモ飢饉」の際の移民のようなので、時代はもっと絞れて1845~49年の間。ハロウィンがアメリカに入っていったであろう時期と合致しますね。

 この作品は、リヴァモア家の出来事であると同時に、ハロウィンの歴史を辿るものでもあるのです。だからアイルランド系なんですね。

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第二回 ほもの草子~受と攻の移り変わり~

 なぜか感想まで戴いてしまったので、調子に乗って第二回です。

 BLにとって基本的な用語ですが、「攻」と「受」についてちょっとご説明を。どこからこんな名付けをしたのかわかりませんがとても秀逸ですね。
 これを決めなければそもそもBLという話が成立しないんだよ!というくらい大事なことです。簡単に言うと、

 攻=動く方
 受=動かない方

 という認識でだいたいあってます。しかし、最近では受攻に変化が生じてきたために、これだけではよくわからなくなってきています。もっと詳しく言うと、

 攻=入れる方
 受=入れられる方

 ですね。何を? そりゃあ、古事記風に言うと、身体の中で「なりなりて成り余れる(独断と偏見による大意:何か知らんけど余ってでっぱってるよ)」というところですね。HAHAHA。

 昔は受も奥ゆかしかったので、褥の上ではすべてを攻に任せておりました。攻はおかげですごい頑張らなきゃ駄目だったわけです。が、時代が下り読者が「そろそろパターン化してきて飽きたよね」という風になると、変化をつけなければ生き残れないのが市場でございます。攻と受も、明確な役割分担でなくてリミックス&散開をしていかなければならなくなりました。

 上記のような役割分担があったうちは、「こういう性格は攻のもの」というように性格付けもまた分類され、例えば「主導権を握りたがる受」というのはなかなか現れませんでした。何のって? そりゃあ、イザナミイザナギ風に言えば「国作りのための営み」ですな。HAHAHA。

 しかし、市場に変化が求められるとそうも言っていられないので、まさに「主導権を握る受」の出現もまた歓迎されるようになってきたのです。それに伴いスムーズに国作り的なアレを進行させるため、攻は相対的に性格が円くなります。ここに「へたれな攻」が現れたのもまた、必然だったといえましょう。

 そうなるともうバリエーションは止まりません。主導権を握る受でもさらに細分化し、「女王様的に攻を支配して国作り(仮)を推し進める受」とか、「攻を翻弄してあれよあれよという間に国作り(仮)を進めていってしまう小悪魔受」とかも出てくるわけでもう大変です。攻の変化も留まることを知らず、女王様の相手ならばMな攻とか、小悪魔の相手ならへたれとかあとうぶな攻とか、どんどこ増えていったわけです。

 何かに似ているなぁと思ったら、戦後の男女の性格の変化を彷彿とさせますなぁ。創作には世相が反映されるということでしょうか。もちろん、昔ながらのヒロインのような受とか、俺様とか鬼畜の攻様も健在でございます。

 どちらかの性格を決めると、もう片方の性格付けもそれにあったものにするというのは円滑な国作り(仮)のために必要なので、これだけは揺らぐことはないでしょう。余談ですが、「最近理想の男というのは宝塚かBLの攻にしかいない」と言われたことがあったそうです。確かにかっこいい攻ってほんとにかっこいいんですよね。

既刊作品
想いを心の奥に隠し、主人に仕える白露を、思いがけない運命が待っていて……。
恋ぞつもりて

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[著]水梨なみ : ささら和里 : 葦井 : 戸田環紀 : 瀬根てい : あずみ純 : jasmine : 鳳来みなと : 八谷響(エルス) : 峡 : 空知花 : あずみ純 : 辰波ゆう : はちみつレモン : 旅硝子 : jane : うにまにあ : night

「かなりあ」という作品で掲載されました。
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プロフィール
(株)パブリッシングリンクの「ルキア」というレーベルから、『奇跡の歌は南を目指す』配信中です! 詳しくは出版社サイトや公式ブログ、当ブログをご参照ください。よろしくお願いいたします!

八谷 響@エルス

Author:八谷 響@エルス
 WEBマガジンのQuqua:(ククア)様にて、八谷響のPNで作品を寄稿させていただくことになりました。少女もののハートフルラブコメになってます! (株)パブリッシングリンクより、「奇跡の歌は南を目指す」でデビューしています。よろしくお願いします。

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