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ほも講座 第一回 徒然なるほも~いい加減な歴史~

 「ほも講座書いてごらん」と唆されてその気になったエルスです。よろしくお願いします。┌(┌´△`)┐ホモォ…←正体

 さて、創作界でほもと申しますといわゆる「BL」、男性同士の恋愛事情を綴ったジャンルになりますが、実はこれほどメジャーになる以前より、ほもい物語というのは思い出したように需要が盛り上がっていたようです。江戸時代にもちゃんとほもを題材にした「青頭巾」というお話しがあります。お稚児さんをかわいがりすぎて鬼になっちゃったお坊さんのお話です。

 まあそれはさておき。

 日本古典文学におけるほもの歴史と変遷はそれほど詳しいわけではないので、私が物心ついたときからのほもの移り変わりなどをつらつらと覚えている範囲で語ってみましょう。ちなみにこれ、独断と偏見と遠い記憶で構成されますので注意してくださいね。

 昔はBLというジャンル名が確立していなかったので、「耽美小説」とか「オリジュネ」とか呼ばれていました。「オリジュネ」というのは、昔あった「オリジナルJUNE」というほもい漫画の載った雑誌の名称から来てます。呼び方すらいろいろあったのからもわかるように、今ほど「このジャンルにはこういう傾向がなければならない」という縛りがきつくなかったです。今だと、「最後までいたすことをいたさなければならない」というお約束がありますよね。あの頃は……と書くと曖昧なので一応覚えている限りで年代を思い出してみると、たぶん私が小学生だったから……80年代から90年代前半ほどでしょうか。

 「小学生でほも読んでいいのか」と思った方、いらっしゃると思います。しかし、上に書いたとおり、当時は「いたすことをいたさねばほもじゃないでござる」という縛りはもっとゆるかった。つまり、いたしてないほももたくさんあったのです。いたしてないほももたくさんあったのです。

 考えてもみてください。同性を好きになると言うことは、決してそう簡単に「いたすか」「そうでござるな」と展開するようなことではありません。日本なんか特にその辺が偏見根強いので、家族からは縁を切られる、友達からは奇異の目で見られる、見知らぬ世間からは蛇蝎のごとく嫌われると、そういう覚悟が必然的に伴う、いわば命がけの恋です。昨今はそのへんをわりとすっ飛ばす話も多くなってますが、その当時は「いたすか」「でござるな」へ至るまでの過程を真面目に切々と綴ったほももたくさんありました。その切なさが溜まらなかったのです。切ないじゃないですか。すべてを捨ててまで得たいと思うほどの恋でございますよお嬢様方。

 まあ、歴史物で身分違い云々っていうジャンルでも、同種の切なさが得られるじゃないかという反論はあるかと思います。が。

 男女である限り、本当の意味での障害など存在しない。

 というふうに行き着くのが腐女子でございます。だって異性なら恋愛したって問題ないじゃないですか。びこーず、異性だからです。身分家柄云々というのは、そういう環境から飛び出した瞬間はかなくも雲散霧消する、所詮は人が作った一時的な障壁でしかないわけです。

 だが、性別は違う。同性である以上、そもそも生物が性の営みを行う究極理由である「生殖」が不可能でございます。いわば何の意味もない衝動でございます。しかし求めずにはいられない。なぜか! 坊やだからさ! ではなくて、愛しているからです。これぞ愛の究極進化形態! というふうに考えたのが、大昔のギリシア人と腐女子です。古代ギリシアでは、至高の愛とは男男のものであるとされていました。男女男男女男女。

 少々話が時空を越えましたが、そういうところから始まったのが「耽美小説」とか「オリジュネ」だったのです。だから悲恋で終わる話も結構ありました。だがそれがいい。そんなジャンルがうまいことなまらすげー稼げる市場へと育ち、たくさんの漫画とか小説で取りそろえられるのは大変嬉しいことでしたが、弊害もありました。

 えろが一番ストーリーが二番三時のおやつはry という流れが強くなったことです。

 特に漫画はそうですが、ほもいえろシーンを売りにしていく傾向が徐々に主流になっていったのです。まあ確かにほら、女である以上絶対経験できないことではありますよ。だから見たいのもわかりますよ。むしろぷまいですよ。

 だが! えろいことをするというのは、そもそも前提として愛し合っているからじゃないか! 愛故に! 愛故に! 愛故に! んでもって、だいぶ前の方で述べた「何を捨ててもいいからこの人がほしい」という覚悟を伴うはずなのです! なのに! なんかだんだん簡単に「いたそうか」「うむ」ってなっちゃったんですよ! 初期から見守ってきた読者としてこれほど口惜ししことがあろうかいやない! という勢いでしたが、どうにもできず。もうどうにも止まらない。

 そして現在へ至るわけです。漫画ジャンルの方は割と早い時期からストーリー性を重視した┌(┌´△`)┐ホモォ…が出現しつつありましたが、小説はどうしても漫画より変化が遅れますね。そういうものだそうです。

 男女の恋愛もそうであるように、男男の恋愛もまた、いたすまでの過程が大事だと想う今日この頃でございます。
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Author:八谷 響@エルス
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