ハロウィンと夜の物語~ジョニーとレニーの悪巧み~

 「おやすみレニー」には、歌詞カードに記されていない歌詞が存在します。なんで書かれていないんだろうと、リスナーの間では不気味な憶測すら囁かれていますが、今回はここを中心に推測をしていきたいと思います。

 書かれていない歌詞は、ジョニーと二人で、レニーが何か悪巧みしていた、という内容になっています。内緒にしていたつもりだろうけどママはお見通しよ、という。この部分に被さって、レニーとジョニーの会話が入っています。ハロウィンの仮装について話していて、ジョニーは狼男をやり、レニーもやりたいというんだけど「頭が大きいからおかしい」みたいな話になって、レニーが「子の頭には世界最高峰の頭脳が詰まっているのだ」とか言ってます。かわいい。

 レニーはイラストでも確かに頭が大きくて、髪の色や質感のせいもありかぼちゃみたいな頭をしています。それでジョニーが「カボチャ頭」というあだ名をつけたようなんですが、このときの二人のやりとりや、レニーが嬉しそうに両親にジョニーのことを語る様子から見ても、ジョニーにレニーへの悪意があったようには思えないので、親愛の表現なんでしょう。それから、考察の中でレニーの頭が大きいのが何らかの脳の疾患のせいではないかというのもあったようですが、「世界最高峰の頭脳」とか言える子はむしろ頭いいんじゃないかなと思います。ジョニーをシェイマスの子供だとすると、レニーはジョニーよりいくつか年下のはずです。レニーが生まれる前にシェイマスが失踪し、その前後にジョニーは生まれている計算になりますので。この年頃の一歳や二歳の差は結構大きいですから、イラストでレニーが他の子より小さくても別に不自然ではありません。身体の弱い子だからというのもあるでしょうし。

 話を戻して、「悪巧みしていたの?」という歌詞の部分でハロウィンについての仮装の打ち合わせがされていることから単純に考えると、「悪巧み」というのはハロウィンのことではないかと思われます。でもただ単にハロウィンをするのだったら別に「悪巧み」とまで言えないので、もうちょっと工夫された計画を子供達は立てていたのではないでしょうか。歌詞の「内緒にしていたつもりでしょ」ということから推測するに、大人達には内緒で、仮装してみんなを驚かせようとかいう企画だったのかもしれません。

 ここでちょっと二曲目の「朝までハロウィン」のことを持ち出しますが、最初の方の部分に「屋根裏部屋の秘密」という歌詞があります。屋根裏はサンホラ的には縁起のいい場所じゃないんですが、さて「屋根裏部屋の秘密」とはなんぞやと考えますと、この「悪巧み」ではないかというのは不自然な推論でしょうか。屋根裏は物置などに使われる空間だったり、某アルプスの少女みたいにちょっと秘密めかしたお部屋にしてみたりされる場所です。レニーはあんまり外で飛び回ったりできなかったでしょうから、ジョニーと二人で遊ぶ時は屋内が多かったのではないでしょうか。そして、子供は遊ぶ時できるだけ大人のいない場所に行きたがります。屋根裏があったとしたら、格好のポジションじゃないでしょうか。

 つまりそう考えると、屋根裏部屋の秘密=ハロウィンの相談ではなかったか、と言うことができます。町の人とか両親をあっと言わせよう、というようなことを二人で計画していたんだけど、屋根裏は所詮同じ家の中です。ママに筒抜けでもおかしくはありません。でもそこは気を利かせて、ケイトは気づかないふりをしていたんじゃないでしょうか。それで、歌詞が歌詞カードに書かれていないのは、「悪巧みを内緒にしていたつもりだったことを、ケイトは知っていた」んだけど、表向きは知らない振りをしていた=明らかにしていなかった→なので公式としては歌詞に記さないっていう意味じゃないかと。ちょっとわかりにくいかな説明……。

 ついでに、屋根裏が物置とかだったとしたら、「古いぼろぼろのシーツ」というのがそこにあったとしても自然ですね。レニーがそれを見つけて、自分の仮装をシーツおばけにしようと思ったのかもしれません。

 前の考察で、レニーの残された寿命がそれほど長くないことを、ケイトとショーンは知っていたのではないかと書きましたが、それならばこのハロウィンが恐らく最後であろうことも、二人は覚悟していたことでしょう。レニーにとっては最初で最後のハロウィンが楽しいものであるよう、もしかしたらケイトは子供達に内緒で街の大人達にハロウィンのお菓子を用意してくれるよう頼んでいたかもしれません。だって急に言われたって、お菓子なんか用意できませんしね。昔のことだからコンビニもないし。

 ともあれハロウィンの夜、死せる餓狼の自由を求める狼の毛皮の少年を筆頭に、子供達は出かけたのでした。
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テーマ : Sound Horizon
ジャンル : 音楽

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