ハロウィンと夜の物語~歌詞カードの影絵~

 私の買ったのは初回限定版なんですが、歌詞カードを透かすとおもしろいことになっています。カボチャの男についての考察でもちょっと触れましたが、光に翳すと表と裏の絵が重なり合う部分がいくつかあって、例えばシェイマスらしき男の頭にジャック・オー・ランタンが重なったりしています。

 「掘っても掘っても~」のあたりに、狼の毛皮の少年らしき影がその裏の杖をついた男に飛びかかっているような感じになる部分もあります。これ、飛びかかっているように見えますが、上から林檎が落ちてくるのと、狼はサンホラ的に悪いものじゃないというのから考えると、「身を挺して林檎から男をかばおうとしている」という見方の方がいいのかも、という気がします。

 その下のほう、「こんな悲惨な夜なのに~」の付近にいる男の影は、なんだか意味ありげです。「おやすみレニー」のがわに描かれているのは、小さな子供が女性にお花をあげようとしている絵ですが、その二人のそばにそっと寄り添って立っているように見えます。しかも、「おやすみレニー」の側からだとあんまり影がよく見えないのです。シルエットからすると木の下に立ってる彼だと思うんですが……。ということはやっぱり……と想像できちゃいますね。

 この、女性と子供なんですが、いったい誰なのかは意見が分かれるところですね。星柄のスカートをはいているし、髪型からするとディアナじゃないかと思えますが、ディアナに花を渡しているのはいったい誰なのか。後ろ姿しか見えないし、歌詞がレニーに関する物語なので第一印象だとレニーだと思ってしまうところですが、ディアナとレニーの接点は一切語られていないこともあり、何となくしっくり来ない。私の解釈だと親戚にはなるんですが、それでも弱い。

 だとしたら、ジョニーなのだろうか。ジョニーと考えて何か差し支えはあるだろうか。「おやすみレニー」の上の方にいる子供は、ちょっと頭が大きいシルエットですが、これはレニーではないだろうかと仮定してみた上で、花を渡している子供と見比べてみると、似ているようで似ていない。ような気もする。

 が、ここで裏面から重なり合う影絵=カボチャの男さんの存在が鍵になるのではないか。カボチャの男さんになっちゃったのはシェイマスと考えられますが、シェイマスが死ぬ間際に誰より会いたいと願ったのはディアナです。そして歌詞カードの夜の側からは三人が重なり合う様が見られるけれど、朝の側からは見られない。夜=死、朝=生。つまり、死んでしまった側から彼は妻と子供を見ているのではないか。けれど、生の側面=妻子からは彼が見えない。ここの部分はそういう意味の絵なのではないかと考えられないでしょうか。

 この女性と子供をディアナとジョニーとすると、その下の方にシェイマスがいるのがより納得できる気がするんですよね。彼らは家族なのですから。
にがくてあまい 1

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[著]小林ユミヲ

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テーマ : Sound Horizon
ジャンル : 音楽

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八谷 響@エルス

Author:八谷 響@エルス
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